「若者よ、外資系はいいぞ」は仕事観に訴えかける良書

200円と激安(kindle版)だったので迷うことなく買った本です。
※出展:若者よ、外資系はいいぞ|祖父江 基史 (著)

印象に残った箇所がいくつもあったので、引用します。

ブラックな外資系企業

ブラックな日本企業があるようにブラックな外資系企業もある。

確かにその通りでしょう。
投資銀行やコンサルティング会社で働いたら、残業時間は月何百時間になるか分かったものではありません。

ある意味、「ハードワークには高い給料で報いる」というブラック外資系企業の姿勢は単純明快です。
日本のブラック企業と比べたら、好感さえ持てます。
日本のブラック企業であれば、

  • 月の残業時間は200~300時間
  • 残業代は出ない
  • 残業のせいで身体を壊しても自己責任

こんな待遇が待っています。

外資系は中小企業に似ている?

外資系企業 日本企業
求められる能力
  • 自分の意見、アイデアを持つ
  • 国籍・年齢・性別にかかわらず、様々な人と働ける
  • 和を尊重しつつチームに貢献する
  • 組織の暗黙知を理解し、一体感を持って仕事をする
働き方
  • 組織上求められる役割を果たす
  • 他から助けられるのを待つのでなく、自分から必要なことを求める
  • チームワークやコミュニケーションは重視される
  • チームの中で自分のできることで自主的に貢献する
  • チーム内で助け合う
  • チームワークやコミュニケーションは重視される
能力開発
  • 自分の専門分野を持つ
  • 自分が将来何をしたいかを名確認したうえで、適した機会を得る
  • 専門性にかかわらず、様々な部署を経験
  • OJT中心

一部抜き出してみました。
私は大企業で働いた経験がないので分かりませんが、社員数十名程度の中小企業は外資系の社風に近いのではないかと感じます。
中小企業では、上司や先輩に教えてもらうことを待っているだけの社員は、お荷物社員です。
自分のやりたいことに応じて違う会社に転職することも、中小企業ではそれほど難しいことではありません。
唯一の違いは、給料が低いということでしょうか。

外資系はユートピアではない

外資系企業が職場としてユートピアということは決してない。
外資系ならではの苦労、心労も多い。

「隣の芝生は青く見える」理論で、日本企業で働いていると外資系が羨ましく思えるものです。
外資系ならではの苦労というと、管理職の残業の多さや社内政治、常に成果を求められることなど、ストレスの種になりそうなものがいくつも考えられます。

報酬が自動的に上がることはない

自分のキャリアプランを明確にして、組織上、高いレベルの役割を果たせるような人材となることがよい報酬を得るうえで重要だ。

外資系で働く上では、自分の人材価値を常に高めるよう努力しなければいけません。
「ホワイトな職場で、給料も高くて、ボーナスももらえるような外資系企業はないかな?」などと、お花畑を夢見ているような人間は全く相手にされません。

自信を持つ

外資系の人材が日系よりも優れているということは決してない

給料が高いからと言って、その人が本当に仕事ができる人だとは言い切れません。
会社によって給与体系も異なりますし、人間関係で運よく出世できた人もいることでしょう。
日本企業でそれほど高い給料をもらっていなかったとしても、外資系に挑戦してみたら意外と高給取りになれるかもよ?と筆者は読者にエールを送っています。

まとめ

200円ということでそれほど内容は期待していなかったのですが(失礼!)、しっかりとした内容の本でした。
外資系を礼賛するわけでもなく、働き方について真剣なアドバイスを送っている良書です。
外資系への転職を考えている人にとっては非常に有益な書籍と言えるでしょう。