「TOEICテスト実力アップのテクニック – 絶対間違えない勉強法と参考書選び」(中川 徹)という本を読みました。
「TOEIC勉強本」を選ぶための本、というコンセプトの本です。
私も2014年9月28日のTOEICを受ける予定があるので、勉強のために図書館から借りてみました。
役に立ちそうな点を抜粋してみます。
第1章 TOEICとは何か
TOEICの基礎知識
TOEICの7つのパート
(リスニングセクション)
- パート1: Photographs(写真描写問題)10問
- パート2: Question-Response(応答問題)30問
- パート3: Short Conversations(会話問題)30問
- パート4: Short Talks(説明文問題)30問
(リーディングセクション)
- パート5: Incomplete Sentences(短文穴埋め問題)40問
- パート6: Text Completion(長文穴埋め問題)12問
- パート7: Reading Comprehension(読解問題)48問
点数とレベル
最低点が10点、満点が990点。
- レベルA: 860点以上
- レベルB: 730点以上
- レベルC: 470点以上
- レベルD: 220点以上
- レベルE: 220点未満
第2章 本の使い方
「回す」
司法試験のマーク式問題は過去問で1科目約500問(!)ある。
過去問を一回説いただけでは知識を習得できないので、何回も繰り返す必要がある。
しかし、この膨大な量の過去問を馬鹿正直に何度も全部解いていたら、何年あっても足りない。
そこで、「回す」という勉強法が開発された。
間違えた問題だけを何度も解く。
根気がない人のための単語帳の使い方
まずはCDやダウンロ―ド音声などが付いた単語帳を手に入れる。
掲載単語の半分くらいは「知っている」「見たことがある」程度のレベルの単語帳が望ましい。
単語帳を買ってきたら、いきなり音声を聴き始めて、知らない単語に蛍光ペン(例・黄色)でマークをする。
1~2時間程度で1000語くらいの単語帳なら最後まで行くはず。
意味がすぐに出てこない単語は、知らない単語として扱う。
翌日、マークを付けた単語の例文を読んで、意味を理解する。
速読力を付けるため、一つの例文につき10秒以上はかけない。
10秒でよく理解できない単語は、初回と違った色の蛍光ペン(例・ピンク)でマークする。
さらに翌日、また音声を最初から聴く。
知らない単語には初回と同じ蛍光ペン(例・黄色)でマーク。
さらにさらに翌日、マークを付けた単語の例文を読む・・・。
この繰り返し。
カンニングペーパー
「これだけは試験直前に見直したい・思い出したい」
という事項を紙一枚にまとめて試験会場に行く途中などに読み返す。
※試験時に実際に使ったら失格。
内容としては、自分が何度も間違った問題や文法、単語など。
リピーティング
1)TOEICの模試(リスニングパート)を準備
2)簡単な問題文だったら、1文を聴いたら音声を止め、まねして発音
3)難しい問題文だったら、1回目は台本を見ながら聴く。2回目からは、1文を聴いたら音声を止め、まねして発音
4)上記2~3を繰り返し、2文、3文と長く続けてまねできるようにする
カンニング・シャドウイング
1)TOEICの模試(リスニングパート)を準備
2)台本を開きながら音声を聴く
3)音声を止めず、聴きながらまねる。わからなくなったら台本をみながら追いつく
4)落ち着いたらまた台本を見ずにシャドウイングに戻る
速読のコツ
- 文法、単語力を身に付ける
- 心の中で声に出して読まない
- 返り読みをしない
- 内容を予想しながら読む
- 早く読む感覚をつかむ(最低でも1秒に2ワード。指で動かしながら目で追う)
速読ドリルの作成
TOEIC10回分の過去問や問題集のパート7を集める。
パターン別に並べて、そのパターンの文をまとめて早く読むことを意識して読む。
パターンとは、広告、記事、手紙、メモ、メニュー、料金表、統計図、フォーム等。
数をこなすと徐々に同じようなところに同じことが書かれていることが実感できる。
第3章 勉強法
聞き流し
残念ながら、英語を聞き流すだけでは英語はうまくならない。
ただし、内容を理解してから聞き流す事で、「内容を復習し定着させる」事は可能。
休日に勉強した内容を、平日の通勤中に聞き流す事で実力低下を防ぐ効果がある。
自分の好きなものと英語を関連付ける
漫画の英語版、好きなスポーツ選手の英文記事、洋楽の歌詞など。
第4章 試験テクニック
マークしやすくする
普通のシャープペン(0.5ミリ)ではマークしにくい。
鉛筆や極太のシャーペンで。
細かい時間の差も積もれば大きな差となる。
試験直前は英語のリスニング
会場に音楽プレイヤーを持って行って、直前まで英語を聴く事で耳が慣れる。
リーディングのラストの方は先にマーク
だいたい時間が足りなくなるので、最後の10問くらいは、試験が始まったら適当にマークしておく。
二つで迷ったら常識的な方
説明(Directions)は読まない、聴かない
模試とだいたい一緒なので、その時間を活用して問題文や設問を読む。
パート1(Photographs)の説明はかなり長いので、この間にパート3(Short Conversations)の設問を見ておくのもよい。
回答用紙へのメモ
問題用紙にメモする事は許されていないが、解答用紙のマーク欄は利用可能。
例えば、聴き取れなかった選択肢には「・」。
明らかな間違いには「V」。
たぶん間違いには「/」。
最後の選択肢まで聴き終わってから、一つだけに絞る方式。
当然、消しゴムはフル稼働になるので、忘れないように。
パート1(Photographs)にありがちな事
- 写真にないものは正解ではない
- 写真からすぐ連想できる単語と似た音の単語を使った引っ掛け
- 「should」「must」などの話者の主観が述べられているのは誤り
- 「言い換え表現」para-phrasingは正解の可能性大
パート2(Question-Response)にありがちな事
- 質問文を聴いた時点で、質問者と応答者の関係を考える
- 返答パターンの定型文句を覚える
- 疑問詞に注目する
- ひねった答えは政界の可能性大(暗示、皮肉)
パート3(Short Conversations)、4(Short Talks)のポイント
- 分からない単語にひきずられない。解けない問題は捨てる
- 聴き取れた単語を根拠に内容を想像する
- 音声が流れる前に必ず設問を読む
- 状況(場所・職業)、固有名詞、数、時間、何の出来事か、をつかむ
- (ギリギリ)手がかりを解答用紙に軽くメモる。後で消す。
- マークを塗りつぶす時間はもったいない。チェックするだけで、リーディングが始まってから塗りつぶす
- 途中で分かったら次の問題へ
パート5(Incomplete Sentences)のポイント
- リズムに乗って答える。1問30秒が目安。
パート6(Text Completion)のポイント
- 空欄の前後だけを見て解答
- パート6終了後にトイレに行く。集中力持続のため
パート7(Reading Comprehension)のポイント
- 最初にタイトルを読んで内容を予想
- 本文よりも先に設問を読む
- リーディングよりもスキャニング
- わけが分からない文章は適当にマークして次へ
- 時間との戦い。1問1分目安
- 「NOT」系の設問では必ず消去法で
第7章 参考書籍
「TOEICテスト900点を突破する集中トレーニング」(鹿野晴夫)
感想
「回す」という勉強法が、司法試験から発生したとは知りませんでした。
私も、高校受験の時の過去問勉強で同じ方法でレベルアップした経験があるので、理解できます。
しかし、こういったテクニック系を知らずに受験している人と、テクニックをバッチリ身に付けてから受験する人とでは、実力が同じでも数十点くらいは点数に差が出るでしょうね。
TOEICはビジネス向けなので、費用対効果を狙って勉強するのは悪い事ではないと私は思ってしまうのですが、皆さんはどう思われますか?