「海外就職するためには英語力を身に付けなければ!」
このような気持ちで英語の勉強に取り組んでいる方も多いことでしょう。
中には、海外留学で語学力を伸ばそうと考えている方もいるかもしれません。
そんな意欲のある方に水を差すようですが、「英語バカは要らない!」と公言している人事担当者もいます。
石油会社の人事課長:「あくまで英語はビジネスの手段。どんなに流暢に話せても仕事ができない英語バカはだめです。」
※出展:「人事部はここを見ている」(溝上 憲文 著)
「英語バカ」と呼ばれないためには、どんなことに気を付ければ良いのでしょうか。
1)英語力を仕事に結び付けて話す
転職や就職の面接で
「自己PRをしてください。」
と言われたとして、
『私は英語が得意です。TOEICのスコアは〇〇〇点で、●●●(国名)に▲年滞在して・・・。』
こんな回答をしてしまってはNGです。
会社が求めているのは、仕事ができて、英語も使える人材です。
英語力をアピールしたいのであれば、次のように答えるべきです。
『私は△△△に興味があり、単身で●●●(国名)に▲年滞在しました。その時の経験から、現在の職を選びました。新しい環境に挑戦して成果を得ることに自信があります。』
『私は仕事のスキルを伸ばすために、●●●(国名)の×××大学院で△△△について学びました。大学の授業では、様々な背景を持つ学生や教授たちと議論を重ね、多様な文化の中で事業展開をすることの難しさと面白さの両面について考えることができました。』
英語力だけをアピールするのではなく、
- 新しい環境へ適応できる柔軟性
- 積極的に新しいことへ挑戦する性格
- 多様な文化への理解
このような要素を含めて自己PRできれば、面接官の印象は全く異なったものになります。
2)海外での成功体験を話す
面接で、
「海外滞在時はどんなことをしていたのですか?」
と訊かれて、
『英語力を伸ばすため、レッスンを徹底的に受けていました。休日は、寮で友人になった仲間とスポーツをしたり、町へ買い物へ行ったりしていました。』
と答えてしまったら、相手にどんな印象を残すでしょうか?
(あー、海外に羽を伸ばしに行ってただけなのね)
と思われて、次の面接に呼ばれることはないでしょう。
面接官は、あなたの日常の話など聞きたくもありません。
面接官が知りたいのは、「コイツは使えるか?」という一点だけです。
使える人材だとアピールするためには、海外で挑戦して成し遂げたことを話すべきです。例えば、
『大学の友人と一緒に、粗大ごみの不法投棄の多い地域を再生させるプロジェクトを立ち上げました。』
『ITベンチャーを立ち上げ、大学から出資を受けました。』
『地元農家の人手不足解消のため、大学でボランティアを募集しました。私を含め10人ほどで収穫を手伝いました。』
このようなエピソードが考えられます。
何も大きな話でなくても構いません。ボランティア活動やインターン、アルバイトをしたというエピソードであっても、あなたの挑戦意欲は伝わります。
3)求められている職務能力を自分が持っていることを伝える
海外就職に限らず、面接において最も重要な点です。
海外就職では、語学力というハードルが設定されているため、英語のことを第一に考えてしまいがちです。しかし、実際に求められているのは、「仕事ができる人材」です。
マネージャーの求人であれば、
『●●人のチームのマネジメント経験があります。私のチームは社内でも数回表彰されたことがあります。部下のマネジメントで私が大切にしていることは・・・。』
などのように、あなたにマネージャーとしての能力があることを説明する必要があります。
ITコンサルタントの求人であれば、
『〇〇や△△のシステム構築の経験が▲年あります。これまでに解決したクライアントの課題には、・・・・・というものがあります。』
などのように、あなたに業界や業務の知識・実績があることを説明する必要があります。
まとめ
日本国内で転職する場合、あなたが日本語を話せるかどうかを面接官が気にすることはありません。あなたが日本語を話せるのは当たり前のことだからです。
海外就職では、候補者が英語を話せることは当たり前のことです。当たり前のことができた上で、即戦力として活躍できるだけの仕事上の能力を求められるのが、海外就職です。