ずんずんさんの著書、「外資系はつらいよ」を読みました。
ゆるいタッチの漫画なのでつい忘れてしまいがちですが、著者のずんずんさんは自身の学歴コンプレックスをものともせず、英語を使って激務の外資系を生き抜いたタフな方です。
外資系の職場のイメージがよく分かる内容だったので、一部引用します。
クビは運
(ずん)どうしてマネージャーはクビになったの?できる人なのに・・・。
(同僚子)社長と折り合いが悪かったからじゃない?
(ずん)え?そんなことで?
(同僚子)そんなことよ
(ずん)え、じゃあ外資系って
仕事がデキないとクビになって
仕事がデキても上司と折り合いが悪かったらクビになる?クビになる
ならないってもしかして
運!?
外資系では、あっという間にクビになっていく同僚を目にする機会も多いようです。
日本の会社でも、仕事の能力は高い人が社長や権力者と衝突したために左遷されるケースもあります。
外資系企業では、日系企業とはまた違った社内政治の力学が働いているようです。
日本じゃもう無理
(ずん)あーみんなお金持ちでいいなぁ
私もお金ほしいなぁ(同僚子)日本じゃもう無理じゃない?
(ずん)え?じゃあどこならできるの
(同僚子)香港とかシンガポールじゃない?
(ずん)香港とシンガポール?
(同僚子)外資系企業は今、法人税率の低い国に本社機能を移転しているの
だから人もそこに移動しているわけで
その結果 日本のアジアにおける機能はどんどん低下しているの(ずん)じゃあ
その国に行けばいいのかな(同僚子)さぁー
単なるブームかもしれないしね
年収1億円のトレーダーや、一泊二日の旅行で100万円以上散在する同僚を目の当たりにして、お金に対する執着を募らせるずんずんさん。
そんなずんずんさんに、同僚子さんが厳しい現実を突きつけます。
アジアの中心はとっくの昔にシンガポールや香港に移っており、同じ外資系で働くのであればシンガポールや香港で働いた方がお金になるよ、と教えてくれます。
なんでこんなに年収が高いの?
外資系はお給料が高いよねというイメージが強いですが
まさにその通りです特に外資系金融は年収がバカ高く
トレーダーやセールスは20代で年収3000万円が平均ぐらいですマネージャークラスになると
年収数億円になったりするわけです
(最近はこういう人たちもみんな香港に行ってしまいましてね・・・)外資系には年功序列 終身雇用の制度はありません
昇給もなかなかしません
クビが前提の世界なのですこのリスクを現金でもらっているという感覚でしょうか
20代で年収3000万円が平均というのは、日本の会社ではまずありえません。
若くしてお金持ちになりたいのであれば、外資系金融は一つの選択肢です。
クビが前提で仕事も激務という職場では長く働き続けることは難しいかもしれませんが、早めに稼いで早めにリタイアするのが王道と言えるでしょう。
上司に媚びろ!
仕事がデキる人が出世すると思われがちですが
外資系は直属の上司の権限が非常に強いのですつまりは
外資系では
上司に媚びたものだけが出世する!
著書の中では、ロンドンから来たお偉いさんをしゃぶしゃぶ店に連れて行って接待した同僚子が、出世してロンドンに異動になる様子が描かれています。
出世にはもちろん本人の能力も必要ですが、チャンスを捉える行動力が必要とされます。
死ぬほど辛くて死ぬほど楽しい
外資系で働くということは、常に自分のマーケット価値を考え、日々切磋琢磨して自己研鑽していくことです。
これは正直しんどい、本当にしんどいです。
ですが、以前私に「外資系で働くって死ぬほど辛いけど死ぬほど楽しい」とおっしゃった方がいました。私もまさにそのとおりだと思います。
著書の中では、日本の銀行マンたちとの合コンの様子も描かれています。
日本の銀行マンたちが、
「日系は給料安いけどクビにはならないし
35歳ぐらいで年収1000万円ぐらいになるし
定年まで勤められるしねー」
と話していますが、この発言にはかなり違和感を感じます。
外資系の高給取りとの比較で言っているのでしょうが、年収1000万は「給料安い」とは決して言えません。
「クビにならない」ということに根拠はありません。
定年まで会社に縛られて何が楽しいのでしょう?
この銀行マンの言葉を聞いてどう思うか。
この一節には、あなたが外資系に向いているのか、日系に向いているのかを測る、リトマス紙のような効果があるかもしれません。