外資系企業の社風や企業文化にも、さまざまなものがあります。
「外資系企業」と一括りに表現してしまうと、本質を見失ってしまうおそれがあります。
この記事では外資系企業のタイプ別に、それぞれの特徴および英語が必要とされるかどうかについて説明します。
100%外資タイプ
海外の株主が100%の株式を保有している会社です。
「株主価値を高めることが企業の最大の使命」という会社が多く、日本的要素が最も少ない部類の会社とも言えます。
日本国内で長期間にわたって事業活動を展開している外資系企業の場合、日常業務で英語が必要とされることは少ないです。
しかし、入社や昇進の際には英語力を求められることが多いのも、このグループの特徴です。
昇進すればするほど、外国人の上司と一緒に仕事をする可能性が高まっていくため、社内でキャリアアップを狙うのであれば英語力は必須と言えます。
日本IBMや、日本コカコーラなどがこのカテゴリーに入ります。
合弁タイプ
日本の株主と海外の株主が資本を出し合っている会社です。
海外株主が株式の過半数を握っている場合もあれば、日本の株主が半分以上の株式を保有している場合もあります。
日本の株主の株式保有割合と、日本的社風の度合いは比例する傾向があります。
一方、海外株主の株式保有割合が多い会社や、海外株主が経営の主導権を握っている会社では、仕事で英語力が必要になる可能性が高いです。
マクドナルドや富士ゼロックスなどがこちらのグループにあたります。
買収タイプ
日本の企業を海外の企業が買収したパターンです。
買収から期間が経過するほどに、日本的な要素が減少していく傾向があります。
外資系特有のカルチャーと、日本企業特有の文化が共存している場合が多いです。
幹部社員であれば、買収直後から新しい外国人上司と英語で仕事を進めていく必要があります。
日産や西友などがこのグループに入ります。
日本支社タイプ
海外に本社のある外資系企業が、日本進出と同時に日本支社を設立したケースです。
「100%外資」との違いは、日本国内での株式会社等を事業活動の母体としていない点が挙げられます。
とはいえ税法の都合上、関連会社として「〇〇〇ジャパン株式会社」という法人を取得している会社も多く、実態は100%外資とほとんど変わりません。
外資系企業タイプ別比較表
以上の各分類について、以下の通りまとめます。
タイプ | 企業例 | 特色 |
---|---|---|
100%外資 |
|
成果が求められる。 自己裁量が大きい。 成長できる環境。 |
合弁 |
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効率重視。 コンプライアンス重視。 男女の区別が少ない。 |
買収 |
|
語学が必要とされる。 女性が働きやすい。 オープンな社風。 |
日本支社 |
|
風通しが良い。 社員教育体制が整っている。 |
上記はあくまでも大まかな社風を表したもので、各企業の性質を示したものではありません。
また、同じタイプに属していても、企業ごとに社風は大きく異なることがあります。