「TOEIC800点が出世の最低条件」という時代はとっくに終わっている。

TOEICで800点台のスコアを取ることができる人の英語力は、

  • 英語で書かれたインターネットのページから、必要な情報・資料を探し収集できる。
  • 職場で発生した問題点について議論をしている同僚の話が理解できる。

というレベルだと言われています。

TOEICスコアと英語力の目安

900点台 ・自分の専門分野の高度な専門書を読んで理解できる。
・英語を話す人達が行っている最近の出来事・事件についての議論を聞いて内容を理解することができる。
800点台 ・英語で書かれたインターネットのページから、必要な情報・資料を探し収集できる。
・職場で発生した問題点について議論をしている同僚の話が理解できる。
700点台 ・会議の案内等の社内文書・通達を、読んで理解できる。
・自分の仕事に関連した日常業務のやりかたについての説明を理解できる。
600点台 ・自分宛てに書かれた簡単な仕事上のメモを読んで理解できる。
・ゆっくりと配慮して話してもらえば、目的地までの順路を理解できる。
500点台 ・電車やバス、飛行機の時刻表を見て理解できる。
・打ち解けた状況で、”How are you?”、”Where do you live?”、”How do you feel?”といった簡単な質問を理解できる。
400点台 看板を見てどんな店か、どういったサービスを提供する店かを理解することができる。

※出展:国際ビジネスコミュニケーション協会

上記目安に基づけば、英語中心の職場で支障なく仕事を進めていくためには、少なくとも800点台以上の英語力が必要です。

700点台では、会議についていくことさえ難しいでしょう。また日常業務以上のこと、例えば突発的な問題が発生した時に対処することも困難です。いつものルーチン業務だけこなしていれば給料がもらえるような牧歌的な職場はずいぶん昔に滅亡しています。

600点台では、日本語に不自由な同僚との仕事上での意思疎通が困難です。500点台では、あいさつと世間話以上はできません。

もちろん、TOEICのスコアとは無関係にコミュニケーションが上手な人も中には存在しています。
そのような人は英語力が足りなくても、アイコンタクトやボディランゲージや愛嬌でなんとか仕事を進められます。
もしかしたらTOEICのスコアよりも、コミュニケーション能力の方が役に立つかもしれません。

企業はTOEICにこだわらなくなってきた?

色々なサイトに「TOEICを採用基準にしている企業の一覧」という表が掲載されていますが、2016年3月現在では状況が変わってきているようです。

例えば、TOEIC800点が必要とされていたサイバーエージェントの「海外事業」に関しては、2016年3月現在募集自体を行っていません。

同じくTOEIC800点が必要とされていた野村不動産に関しては、2016年3月現在TOEICスコアに関する制限が掲載されていません。

歓迎する経験・スキル
業界経験、職種経験不問。
※社会人経験6年以下の方。

※下記のスキルを活かしたい方は、社会人経験年数不問です。
 応募フォームにてご希望の分野をご選択ください。

<営業系のスキルを活かしたい方>
下記いずれかの経験をお持ちの方
●証券会社、生命保険、銀行、商社、不動産(住宅営業、売買仲介)、食品・消費財メーカー業界での営業経験
●コンビニSV、ECコンサルタント

※出展:野村不動産

ただし、住友不動産に関しては引き続きTOEIC800点を条件としています。
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※出展:住友不動産

まとめ:TOEICにこだわらず、英語力全般を伸ばすべき

複数の会社の求人情報・募集要項を見る限りでは、TOEICを応募条件に挙げている会社は減ってきているように感じます。

もしかしたら、「TOEICの点数が高ければいい」という時代はとっくに終わっているのかもしれません。
これから英語力を身につけたいと思っている方はTOEICにこだわらず、自分の仕事に関係のある分野を英語で読みあさったり、英語のプレゼンテーションや会議に慣れておいた方が、転職には役立ちそうです。

参考

企業が就職・就活で求めるTOEICスコア一覧|SousPeak
企業が求めるTOEICスコア一覧|TOEICスコアアップのための勉強法