外資系企業で出世し生き残っていくために必要な能力とは?

「日系外資系一流企業の元人事マンです~~~(略)」(著:新井健一)を読みました。
外資系企業に入社した後、生き残っていくためにはどのような点に注意すべきかについて書かれています。
本書からいくつか抜粋します。

※出展:「日系外資系一流企業の元人事マンです。じつは入社時点であなたのキャリアパスはほぼ会社によって決められていますが、それでも幸せなビジネスライフの送り方を提案しましょう。」(著:新井健一)

アップ・オア・アウト

会社によっては、「栄光への階段」を一定期間内に上がることができなければ、辞めてもらうという、アップ・オア・アウトという方針を採用している場合もある。
(中略)
優秀な人材は30代前半にして経営層やパ-トナー(代表社員)に仲間入りすることができる。年棒も高い。

マッキンゼーやボストン・コンサルティングなどの戦略系コンサルティング事務所、外資系会計事務所・法律事務所などで採用されている人事制度です。
コストパフォーマンスの悪い年配社員を追放でき、体力もやる気もある若手社員を登用できる、一石二鳥のドライな人事制度です。外資系らしい合理的な人事制度と言えます。

相対評価下位をクビに

毎年、社員を最高評価Sから最低評価Dに相対評価し、D評価の社員には辞めていただくという運用をしている外資系企業もある。
これは組織の大きさを一定に保ちながら、社員の新陳代謝をうながすことを意図している。

IBMやGEが実施している制度です。会社の利益や売り上げが増えない状況においては、合理的な人事制度と言えます。

外資系企業でやってはいけないこと

外資系企業で(日本企業と)同じことをすると、トラブルになることがある。

日本企業から外資系企業に転職したマネジャーMさんが、席の近い社員Sさん(他のマネジャーHさんの部下)に毎日、あいさつ程度の声がけをしていたら、数日後、Sさんの上司Hさんに呼び止められてこう切り出されたそうだ。
「あなたは、毎日Sさんに話しかけているようだね。だが、特に必要がなければ、Sさんに声をかけないでほしい。彼は何らレポート義務のないマネジャーから毎日呼び止められて、どう対応してよいかわからず、ストレスを感じている」と。

日本企業では、飲み会や挨拶などのコミュニケーションが、社員同士の意思疎通に役立つことがあります。
日本企業の管理職経験者は、このようなプチ・コミュニケーションの重要性を理解しているため、日常業務で関連のない社員にも声掛けをする傾向があります。
ところが外資系企業では、直属の部下以外に声を掛けることはそのスタッフのストレスを増やしてしまうだけ、とバッサリ切り捨てています。

コミュニケーション力が最重要

筆者は、キャリア採用で重視するポイントを、コミュニケーション力だとあえて言っている。
そしてこのコミュニケーション力は、社内をまずは泳ぎ切り、さらに生き残るためにも必須の能力である。
この能力には、報連相の初歩的なスキルはもちろん、コーチングやカウンセリングのための特殊なコミュニケーション力、また大勢を前にしたスピーチ力なども含んでいる。

本書の著者は、出世や社内での生き残りのための最も重要な能力は「コミュニケーション」だと言い切っています。
日本企業と外資系企業で人事を経験した著者ならではの、重みのある一言です。

まとめ

外資系企業に転職できたとしても、まだスタートラインに立ったに過ぎません。
外資系企業で生き残っていくためには、日本企業とは異なる価値観を持つ必要があります。